大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)14 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人草光義質の上告理由は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

原判決は、疏甲第一号証同第八号証を綜合して、本件建物について、元の所有者

Dと被控訴人との間に成立した賃貸借契約には、賃貸人の承諾を得ないで家屋内外

の構造を変更したときは、賃貸人は賃貸借契約を解除し家屋明渡を請求し得る特約

があつたことが疏明され、且つその特約は本件建物の所有権を取得した控訴人と被

控訴人との間においても効力を有するものと判断し、更に進んで、疏甲第五号証同

第八号証、第一審証人E、第一審における控訴人(申請人)及び同被控訴人(被申

請人)の供述を綜合して、昭和二三年四月中控訴人は訴外Eをして被控訴人の本件

建物に対する模様替工事の中止を申入れたところ、被控訴人は一応これを承諾した

が、其後これを無視して控訴人の承諾を得ないで一般修理の程度を超えて二戸建長

屋を一戸に改造した事実が疏明されたとしたものであるが、原判決に挙げている各

資料によれば、判示事実は疏明されたものといい得る、そして本件建物の改造につ

いては、被控訴人は同人において本件建物をその西隣の一戸と共に賃借して引越し

た際既に当時の賃貸人Dの承諾を得たものであると主張するが、これに対し原判決

は、乙第六号証中、被控訴人の主張に添うような部分は借信しないのであり、「他

に被控訴人の主張を認めるに足る疏明資料はない」と説示していることは記録上明

白であるが右原判決の判断については何等法則に違背するところはない、論旨は結

局原審の適法に為した証拠の範囲についての裁定、証拠の取捨判断、並に事実上の

判決に関する専権行使を非難することに帰着するから、採用することを得ない。

よつて民法第四〇一条第八九条第九五条により主文の通り判決する。

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以上は裁判官全員一致の意見である。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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